== ビジネス・人文 ==

アカデミー出版もびっくり?橘玲の超訳!

いやー実は“リバタリアン”と聞くと、ゾンビの親戚の右翼の人達みたいに思ってました。 だっで“バタリアン”に接頭辞の“”が付いたみたいな語感でしょう。
えっ、バタリアンを知らない?まあオバタリアンが死語化している今日日無理もないかな。知らない人は
こちら
不道徳な経済学──擁護できないものを擁護する (講談社プラスアルファ文庫)不道徳な経済学──擁護できないものを擁護する (講談社プラスアルファ文庫)
(2011/02/22)
ウォルター・ブロック

商品詳細を見る

本書は2006年刊行『不道徳教育』を加筆、文庫化したもの。
原著はウォルター・ブロックDEFENDING THE UNDEFENDABLE(擁護できないものを擁護する)1976
出版当時はアメリカでベストセラーになっている。

内容は、その経済政策が今日「市場原理主義」と呼ばれるリバタリアンの立場から、世の人々から蔑まれている、売春婦・麻薬売人・闇金、果てはニセ札づくりetc…について、彼らが不道徳だなどトンデモナイ!彼らこそ正義であり、市場のヒーローだと擁護するトンデモナイもの。しかし決してキワモノではなく、極めて真面目で、平易且つ鮮やかな論理展開により、“ンな訳ないだろう”と思っている読者が納得させられてしまう所が醍醐味。

本書を唯の翻訳物と異ならしめる,ミソが2つ。

1つは翻訳者が人気作家・橘玲であり、今の日本の状況にあわせ、登場人物・地名等の状況を、のび太・ジャイアン・ホリエモン・青森・沖縄・銀座商店街etcに変更した超訳であること。

2つ目は冒頭53P迄の橘玲自身による「はじめてのリバタリアニズム」が実に秀逸!なこと。

冷戦終結後20年が経過してなお、日本では社会状況を語るとき、右か左かの、2項対立論に終始しているが、
アメリカでは
・ケインズ派(市場介入主義)
・リベラリスト(人権原理主義)
・古典的自由主義(レッセ・フェール)
・リバタリアン(自由原理主義者)

の4つのカテゴライズが当たり前の議論の前提になっているのだそうで、
この4者による正義をめぐる対立の構図が、コンパクトにして判りやすくまとめられいます。

恐るべし、橘玲!

この冒頭部分が本書のクライマックスと言えるでしょう。

あっ。決して本論がつまらない訳ではありません。ウォルター・ブロックさん、ごめんなさい(^_^;) 強烈な説得力で、うすっぺらな常識を次々にブッ飛ばしてゆくお話は中々の快感です。
ただ不道徳な24の登場人物を擁護する論理のベースが同じな事もあり、私の場合、12番目くらいで、少々飽きが来ました。
オムニバス形式ですので、自分の興味のある部分から読んで行くのもアリかなと思いました。

読後に強く思ったことは…。そうなんです、ハーバード白熱教室のマイケル・サンデル教授の本を読む前に、こっちを読んでおけば良かったなぁぁと!前述の4つのカテゴリーが自明の理として話されているので、本書を読んでいれば、理解の仕方が全然違ったものになっていたことでしょう。

結論。サンデル教授の本のお供に是非!の一冊でした。

読了後の感想・おすすめ度⇒★★★(白熱教室の予習にどうぞ)

┃ Tag:橘玲 マイケル・サンデル リバタリアン

┃ テーマ:読んだ本の紹介 ━ ジャンル:本・雑誌

┗ Trackback:0 ━ 22:50:36 ━ Page top ━…‥・

== Trackback ==

http://sekusi2.blog.fc2.com/tb.php/10-4bcc8ff0
 
Prev « ┃ Top ┃ » Next