== 小説・エッセイ ==

江戸川乱歩賞受賞作『よろずのことに気をつけよ』

今年の第57回江戸川乱歩賞の受賞作です。同時受賞として完盗オンサイト(クライミングハイ改題)が受賞しています。
よろずのことに気をつけよよろずのことに気をつけよ
(2011/08/09)
川瀬 七緒

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著者の川瀬七緒さんは子供服のデザイナーで仕事の傍ら2007年から小説の創作活動を始めて、わずか4年で本賞の受賞に至ります。すごい!いろんな才能をお持ちな様でうらやましいなぁ…。

さて、そんな著者の経歴とはうって変わって、本書は、怨念、呪術が絡んだチョットおどろおどろしい殺人事件のお話です。
呪術符、丑の刻参り、祈祷念仏など呪いに関連する言葉が飛び交う殺人事件の謎を、主人公、呪術研究家の仲澤大輔が、解き明かしつつ犯人に迫るというストーリー。
面白かったです!

ただ、出だしのあたりのセリフまわしが、とってつけた感があり時に冗長で、読んでいて引っ掛かりが多く、なかなかテンポ良く読み進めませんでした。もっともこれは個人の好みの問題でしょう。現に選考委員の内田康夫氏も“会話のリズムもテンポもよく”と評されています。
第2章に入り俄然面白くなってきます!謎が謎を呼ぶ展開。文化人類学の知識がなくとも各地に残る呪術信仰の謎へ一気に引き込まれるストーリー展開です。

だた、これまた好みの問題でしょうが、

(以下若干ネタバレ注意)

キーマンの一人ホームレスの鳥類学者、野呂が実は殺人被害者の砂倉健一郎の知り合いだったという展開が、いかにも唐突過ぎるのと、ストーリー展開上の必然性が感じられず、かなり違和感を覚えました。
(なんかケチつけてるみたいな風でスイマセン川瀬さん)

そんな細かな部分より、ともかく小説はやっぱりストーリーの面白さが一番!横溝正史ほどの、おどろおどろしさはないので、その分読みやすくなってます。

ともかくも今後が楽しみな作家さんです。この話もシリーズ化とかありかも…
読後の感想・おすすめ度⇒★★★★(土俗信仰・民俗学派の方に特におすすめ)

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