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ゴー宣スペシャル最新刊!『国防論』

小林よしのりゴーマニズム宣言Specialの最新刊は国防論。戦争論から早13年ですか…。光陰矢の如しですねぇ。
ゴーマニズム宣言SPECIAL 国防論ゴーマニズム宣言SPECIAL 国防論
(2011/08/31)
小林 よしのり

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今回は3.11の震災を受けて、当初構想を変更、半数以上の頁を被災地の取材に基づく現地の被災状況と自衛隊の救援活動にあてています。

被災地の様子を戦争中の空襲の跡の様だとの声に対して、廃墟に漂う空気が違うはずだ!と、よしりん。

戦争には憎むべき敵がおり、鬼畜米英と言いながら立ち上がる気力があったはず。焦土となっても自分の土地に我が家を再建すればよかった。
対して津波・地震という天災には憎むべき対象がなく、自分の土地に家が再建できるとは限らない。見知らぬ土地への移住に迫られるかもしれず、そういう人々には“諦観”しかないのだと指摘。
世界史との対比で、侵略を受ければ、男は皆殺し女はレイプ虐殺子供は奴隷として連行が常識だった世界の中で、日本では外国からの侵略よりも自然からの侵略である天災による犠牲が多かった為に、リーダーに“国民を皆殺しさせない”という危機意識が決定的に欠落していると…。

そのうえで今回の自衛隊の災害派遣活動の素晴らしさ受けて、自衛隊を非軍事の災害救援部隊に転換せよとの意見については、日本が侵略されるかもしれないことは想定されるリスクであるとして一笑に付して退ける。さらに本来任務たる防衛出動時に敵の軍隊に銃を向けることになっても、国民はこれを、命を賭けた尊い行為と認めるのだろうか、改憲をして自衛隊を国軍として認めるのだろうか、疑問を呈する。
 
一方、原発については、現状の反原発派も原発推進派も原発が核武装を視野に入れて導入、維持されて来たことに目をつぶった覚悟無き情けないものだと一蹴!

この期に及んで、まだ原発が安全というのは科学教というカルトだと糾弾、
原発の即時全面廃止!ただし同時にNPTを脱退し核保有を宣言するしかないと主張するのであります! 

とうとう言ってしまったか。よしりん。

さすがの過激さに衰えなし!でもこのタブーに触れずして国防論は語れない。小林よしのり恐るべし…。と思ったら、なんと天下の大新聞、読売が社説で原発について“外交的には、潜在的な核抑止力として機能していることも事実だ”と認めちゃってたんですね!
この社説についてはコラムニストの小田嶋隆さんが自身のコラムの中で
“軍事転用? ははは。貴兄はご存知ないようですが、核兵器の製造はNPT体制の厳重な管理下にあって原理的に不可能なのですよと、百万ドルの建前論をぶっつけて陰謀論を粉砕する。”のがオモテの世界の言論人の基本的な外交儀礼だったはずであり。これは“マナーとしては、婚活パーティーの席でいきなりセックスの話を持ち出す態度に近い”と驚きと皮肉を込めて語っています。
ハハハ相変わらず小田嶋さんは面白い!

たしかに“沈黙は金”無言の圧力こそ外交カードとして有効、というところもあったと思います。しかし3.11以降日本を支配する“空気”が婚活パーティから産婦人科へと変化してきているというところでしょうか?

私自身はというと、結局自民党が進めてきた「核レディ」のポジションを維持していくのが米中間に立つ日本の取りうるギリギリの選択ではないか?と思ったりしています。核兵器は保有していないが、その気になれば保有できるんだぞ、というポジション。
よしりんは、日本の核武装を“アメリカはそろそろ容認するだろう”と言っていますが、私はそう思えません。共和党の一部にそうした意見があることと、米国指導層全体の意見とは別物ではないか?と思うからですが…。

全くのシロウト考えでは、日本の核レディ技術はなかなかのところまで来ているのではないか?などど思うんですよ。

核の原料は⇒プルサーマル計画の中で国内に十分な量を確保できた。
運搬の為のロケット(ミサイル)技術は⇒国産化に成功しているし、2年後にはトレーラー発射も可能なイプシロンもできる。
核弾頭の大気圏突入・着弾誘導は⇒NASAも監視する中、はやぶさのカプセルを目標のウーメラ砂漠へ落下させた。

日本が核保有一歩手前で撃鉄を引いて引き金に指をかけるには、この後、スパコンでの核爆発シュミレーションを数多く重ねて行くことが必要なのではないかナ?

おっとすっかり脱線しまくりましたが、問題提起の石を投げ込んで、波紋をひろげるのがゴーマニズム宣言の神髄!
まちがいなく色々と考えさせられる一冊です!
読後の感想・おすすめ度⇒★★★★(あらためて感じる漫画の威力)
追記:この前取り上げた自衛隊救援活動日誌に登場する第14旅団も描かれています。あわせて読むことをオススメします。


┃ Tag:ゴーマニズム宣言 小林よしのり

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